開国の父 老中・松平忠固

【815】第1話 D3 『黒船、現る』≫

○海上
霧が立ち込めている海上。
漁をしている2隻の漁船。
ゴーという轟音が響いてくる。
漁民A「お、おい」
漁民B「な、なんだ、地震か」
漁民A「ばか、海の上で地震があるか」
おおっと揺れる船でバランスをとる漁民。
霧の中からうっすら姿を現す影。
漁民A「な、なんだ」
だんだん大きく、だんだんはっきりしてくる。
漁民A「うわー、な、なんだ」
漁民B「に、にげろ」
バーンとついに姿を現す黒船。

とてつもなく大きい。
横を通過していく山のような黒い船。
スターデストロイヤーのように通り過ぎていく。
漁民たち「・・・」
通り過ぎほっとする間もなく、再び別の黒船が現れる。
よく見ると、あっちにもこっちにもいる。
波にもまれながらなんとか船を維持する漁民たち。
横を通り過ぎていく3隻の黒船。

 

○サスケハナ艦橋・外観
船員たちが操舵している。
船員A「間もなく視界にとらえます」
組んでいる足。
声「そうか。全速力で接近せよ」
声の主の顔は見えない。

 

○海上
たくさんの漁船たちが黒船を発見し、騒ぎ出している。

 

○陸上
人々が黒船に気付き、騒ぎ始めている。

 

○浦賀奉行所・外観
早馬が奉行所の中に入る。

 

○奉行所内
早馬からの使者が飛び込んで入ってくる。
使者「たいへんです。巨大な・巨大な黒い船が湾に近づいてきます」
与力「なんじゃと」

 

○海上
霧が晴れてきて、岸が見えてくる。
完全に姿を現す黒船。
4隻の堂々とした姿。
蒸気船2隻は帆を畳んで黒煙を吐いている。

 

○丘の上
大勢の人間が集まっている。
がやがや大変な騒ぎである。
与力「こ、これは・・・」

 

○サスケハナ・艦橋
操舵している船員が後ろを振り向き
船員A「提督、ご覧下さい」
椅子に腰かけていた先ほどの足の主、立ち上がり外を眺める。
足の主「おおっ」
陸地の向こうに美しい山が見える。
富士山である。
感嘆の声をあげる声の主、マシュー・ガルブレイス・ペリー(59)である。
ペリー「あれが富士の山か」
しばらくな眺めているが、厳しい表情のまま
ペリー「そのまま江戸湾に進入せよ」
進んでいく黒船艦隊。

 

 

 

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