【864】第4話 D4 『ポーハタンの宴』≫
○ポーハタン・外観(夜)
○同・甲板
祝宴が開かれている。
いろいろな旗で飾り付けられている。
テーブルには牛肉・羊肉・鶏肉など肉料理や野菜、ワインやシャンパンが並んでいる。
軍楽隊を演奏している。
曲は、フォスター『草競馬』。
宴もたけなわで、高官たちも甲板に出て音楽や水兵達のショーを楽しんでいる。
皆が楽しんでいる様子を眺めているペリー。
遠くで誰かと話している井戸を発見する。
井戸がその相手に対し頭を下げているのを見て怪訝な表情をする。
隣にいる林大学頭に尋ねる。
ペリー「プリンスオブダイガク、あそこでナンバー2と話しているのは誰です?」
通訳の森山から話を聞く林。
林「ナンバー2?ああ、井戸ですな。井戸と話している男は・・・」
とその相手を見てビックリする。
その相手は地味な地味な格好をしているがまさしく忠優。
当然忠優が出席するなど聞いていないので驚きを隠せない。
林「・・・」
ペリー「・・・」
その不自然な驚きも見逃さない。
林「あれは・・・、ただの下人でございます」
ペリー「下人?そうは見えないが。なぜならプリンスオブ対馬の彼がああして頭を下げているではないか」
忠優に対して頭を下げている井戸。
林「・・・」
ペリー「礼儀や作法の厳格な貴国のこと、下人に対しあのようなふるまいをとることはあるまい」
手拭いで汗を拭く林。
ペリー「もしやあの人物は皇帝なのでは」
林、びっくりして
林「上様であろうはずがござらん。上様は一般人の前にお目見えすることなどありえん。これは断言いたす。あの者は上様などでは断じてない」
ペリー「ふむ」
考えるペリー。
ペリー「(どうやら皇帝ではないらしい。とすると、林や井戸ら諸侯より位が高いとなると宰相?)」
そこへ松崎が酔っぱらってやってくる。
ペリーに抱き着き、肩に手を回し、
松崎「水師提督マツテウセ・ペルリ、ばんざーい」
松崎が飛び込んでくれてほっとする林。
林「これこれ、ペルリ提督に対して無礼がすぎるぞ」
ペリー「ははは、松崎殿は愉快ですな」
松崎「日本とメリケンの心は一つ」
大声で叫ぶ松崎。
ペリー「彼はなんと叫んでいる?」
ウィリアムズ「『Nippon and America, all the same heart』と言っています」
ペリー「ははは」
ペリーと松崎が肩を組んでいる姿を遠巻きに見ている忠優と井戸。
忠優「『日本とメリケンの心は一つ』か・・・」
井戸と二人で微笑み合う忠優。
月明かりに浮かぶポーハタン号の宴。
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