開国の父 老中・松平忠固
【953】第10話 C1 『山吹菓子』≫
○京・全景
○九条邸・外観
○同・内
堀田が九条に挨拶している。
堀田「できましたら早々にメリケンとの通商条約の勅許を頂きたく、よろしく取り計らいお願いする次第で。詳しくはこちらに控える川路と岩瀬にご説明させます」
岩瀬「交渉の全権を任されておりまする岩瀬にございます。交渉は基本合意に至っており、この条約を締結することで我が国には交易による富が得られ、異国に対する武力も・・・」
退屈そうな九条。
九条「ああ、詳しいことは御所で話されよ。政のことを言われてもわらわはよく分からん。だが勅許は簡単ではないぞよ。帝が反対されてるでな」
堀田、川路に指示。
川路、後ろを向き指示を出す。
運び込まれる千両箱。
一つ、二つ、三つ・・・。
一つ運ばれるごとに九条の顔がほころぶ。
九つ、十、10箱運ばれる。
九条「(い、1万両・・・)」
堀田「これはほんの御挨拶にて」
九条「ほっほっほ。いやはや痛み入る。なかなか大変な仕事であるが、この九条、引き受けましたぞ」
平伏する堀田・川路・岩瀬。
○鷹司邸・内
積み上げられる千両箱10箱。
鷹司に挨拶している堀田・川路・岩瀬。
堀田「太閤鷹司卿におかれましては、まずはお受け取り頂きたく」
鷹司「・・・」
ごくりと生唾を飲む鷹司。
鷹司「分かり申した。私は元々広く海外に国を開くこと、有意義なことと申しておる。反対しているのは九条関白はん。狭量の者なので仕方なきことだが。だが、私の力で関白はんは何とかしまひょ」
堀田「ははー」
安心している堀田・川路・岩瀬。
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