開国の父 老中・松平忠固
【830】第2話 D2 『松陰、密航決意』≫
○象山宅
書き物をしている象山。
後ろに松陰、思い詰めた表情。
松陰「拙者・・・、拙者が習得します」
書き物に集中し、うわの空の象山。
象山「ん?」
松陰「拙者がきゃつらの技術を習得します、先生」
象山「ああ、学べ、学べ」
松陰「そのためには拙者、異国に行きまする」
象山「ああ、行け、行け、ん?」
書き物から眼を外して松陰を見る象山。
松陰、象山を凝視し、
松陰「異国に行き、この目でしかと学んできたいと思います」
象山「寅、貴様・・・」
その真剣な眼差しに圧倒される象山。
N「寅と呼ばれるこの青年が吉田松陰である。通称寅次郎。長州藩士でこの時佐久間象山の砲術塾の門下生であった。後に明治維新を成し遂げる高杉晋作や桂小五郎、伊藤博文らの師となる。また当時国外に行くことは当然認められていない。遭難した者さえ帰国することが許されない程で、国禁を犯した者は当然重罪に処せられる」
松陰の顔。
象山「そうか・・・」
松陰「・・・」
にやっと笑い、
象山「さすがに寅よ、貴様のその非凡の最たるところはその実行力よ、他の誰にもまねできぬわ」
見つめ合う松陰と象山。
人気の記事
- 【100】日米修好通商条約は不平等条約ではなかった カテゴリ: 日米修好通商条約
- 【164】最も印象的なペリーの日本評 カテゴリ: ペリー/アメリカ
- 【101】江戸幕府が既に『大日本帝国』を名乗っていた カテゴリ: 江戸幕府
- 【123】日本初の外資系企業は カテゴリ: イギリス/外資企業
- 【125】南京条約、香港がイギリスへ カテゴリ: イギリス/外資企業
- 【112】江戸幕府の出世コース カテゴリ: 江戸幕府
- 【124】アヘン戦争から日本の近代史が始まった カテゴリ: イギリス/外資企業
- 【163】ペリーの知られたくない事実を知っていた日本 カテゴリ: ペリー/アメリカ, 江戸幕府
- 【130】恐るべき佐久間象山の『海防八策』 カテゴリ: 佐久間象山/吉田松陰
- 【800】『日本を開国させた男/日米和親・修好通商条約締結物語』目次 カテゴリ: 映画ドラマ脚本
カテゴリー
最近のコメント
- 【150】忠固の左腕・井戸覚弘 に ATSUHIKO MOTONO より
- 【150】忠固の左腕・井戸覚弘 に 吉見 幸春 より
- 【008】御子孫からのメッセージ に 青木 より
- 【008】御子孫からのメッセージ に 青木 より
- 【008】御子孫からのメッセージ に ATSUHIKO MOTONO より
コメントを残す