オランダ/蘭学者
【117】モリソン号事件が蘭学者弾圧のきっかけに≫
アメリカ商船を砲撃して追い返す
ペリー来航から遡ること16年前。
アメリカ商船モリソン号が浦賀に来航するも砲撃し追い返す、という事件が起きました。
実は外国船が日本を訪れるのは、既に頻発していた出来事でした。
【122】反対と妨害の中、西洋式砲術を実演≫
長崎の幕臣・高島秋帆
長崎出身の幕臣・高島秋帆は出島のオランダ人を通じて、自ら西洋式砲術を学び高島流砲術を完成させます。
そして、1841年(天保12年)5月に江戸・西郊外の徳丸が原で幕府幹部を前に公開演習を行います。
【126】日本初のシンクタンクが潰された『蛮社の獄』≫
渡辺崋山の所属した『尚歯会』
尚歯会は、時の蘭学の主流であった医学・語学・数学・天文学にとどまらず、政治・経済・国防など多岐にわたる研究をしたグループで、日本初のシンクタンクと言える集団でした。(表向きは『老人の歯』の会)
- 渡辺崋山・・・田原藩家老、忠固と懇意
- 高野長英・・・シーボルトの弟子、蘭医
『NIPPON/シーボルト著』
【129】実はオランダ語の日本語≫
高島秋帆逮捕で忠固がキレる
蛮社の獄で忠固に近い渡辺崋山ら蘭学関係者が処罰されたのに続き、洋式大砲の実演演習を行った高島秋帆までも捕らえられます。
崋山らの罪状も『政権批判』などという強引なものでしたが、秋帆の罪状はもっとひどく『出島のオランダ人たちと共謀した謀反の疑い』などという根も葉もないものでした。
これで忠固もキレたのでしょう、政権内での鳥居耀蔵との対立は頂点に達します。
そして、老中首座・水野忠邦は忠固を罷免し、鳥居を昇進させます。
【143】一番最初の開国要求≫
一番最初の開国要求はオランダ
天保15年(1844年)7月22日、オランダ国王の使者が長崎に来航、正式に日本に開国を勧めます。
これがペリーへ続く日本への開国要求の一番最初です。
オランダ国王ウィレム二世からの親書なので正式に返答する必要があります。
しかし、この時は水野忠邦の再登板時で政局が混乱していたので、返事ができませんでした。
この返答を翌年、老中首座となった阿部正弘が行います。
【156】ペリー来航を知らせたクルティウス≫
出島にクルティウス来日
ペリー来航1年前、オランダ商館長(カピタン)にヤン・ドンケル・クルティウスが就任します。
出島で作成したオランダ風説書に加え、パタヴィアで作成した別段風説書をもって、1年後のペリー来航を幕府に知らせます。
来日1か月後には阿部・忠固政権は『軍艦・大砲建造の意見書』を将軍家慶に提出。
これだけのスピードで過去2百年余りの法律を変えようと動く政権を『無能』呼ばわりする歴史家がいらっしゃるのは、私には理解に苦しみます。
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